いちじくが腐るとどうなる?いちじくが傷んだ時の特徴について

さまざまある果物の中でも、「大人のフルーツ」として人気なのがいちじくです。いちじくは、庭に木を植えて育てることも出来るため、日本人にとっては非常になじみ深い果物であるのですが、その見た目からかお子様にはあまり人気の高い果物とは言えないかもしれませんね。

しかし、いちじくは他の果物と比較しても、甘味が強く、さらに酸味や苦みが少ないという特徴を持っているため、お子様でも食べてみるとその味を非常に気に入るというケースが多いのも特徴です。完熟したいちじくは、まるでジャムのような強い甘みを感じることができ、秋の味覚としても非常におすすめです。

ただ、このいちじくについては、完熟しているのか傷んでいるのかが見分けにくいという声を聞く機会が多いです。もともと果肉が柔らかい果物であるため、傷むのも早そうに感じてしまいますし、持った時に「腐っているのではないか?」と不安に感じたという経験がある方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、特徴的な食感で人気のいちじくについて、腐った時に生じる特徴や、傷んでいると判断すべき状況について解説します。ちなみに、いちじくの保存方法や保存期間については、以前別記事で解説しているので、以下の記事も併せてご覧ください。

関連:いちじくの保存方法について!正しい保存をしたときの保存可能期間もご紹介

いちじくの基礎知識について

それではまず、いちじくの基礎知識について簡単にご紹介します。果物は、全般的に栄養価が高いことで有名ですが、中でもいちじくは「不老長寿の果物」と言われるなど、豊富な栄養が含まれていることで有名です。いちじくは、なんとキリスト教の聖書にも登場している果物で、古くは薬効が高いことで重宝されていたとされます。まずは、いちじくの基本情報を以下に紹介します。

  • 学名:Ficus carica
  • 分類:クワ科イチジク属
  • 原産地:アラビア半島
  • 別名:蓬莱柿(ほうらいし)、唐柿(とうがき)
  • 旬の時期:6月頃の初夏と8月~10月頃の秋が主な時期

いちじくは、6000年前からあるとされていて、原産地はアラビア半島の南部とされています。キリスト教の聖書にも登場しているように、非常に古くから認識されている果物で、古代ローマでは代表的な果物だったとされています。日本には、ペルシャや中国を経由し江戸時代初期に長崎に伝来してきたとされます。なお、日本に伝来した当初は、「薬効のある果物」として認識されていて、主に薬園や寺院などで栽培されていたとされます。その後、食味の良さが注目され、全国的に広がっていったとされています。

ちなみに、いちじくの豆知識として覚えておきたいのは、私たちが食用としているのは「実」ではなく「花」の部分であるという点です。いちじくは、漢字で書くと「無花果」となるのですが、これは花が咲かないのではなく、外から花が見えないため、この漢字が使われています。実際には、私たちが果実として食べている内部に、隠れるようにして多数の花を咲かせているのです。いちじくを食べた時には、プチプチとした特徴的な食感を楽しむことができるのですが、これが無花果の種です。

また、いちじくの特徴として、旬の時期が年に2回あるということです。夏に旬を迎えるものが「夏果」、秋に旬を迎えるものが「秋果」となり、品種によって旬が異なります。

いちじくは高い糖度を誇っている

いちじくは、大人のフルーツというイメージが強いため、甘さが控えめの果物なのではないかと考えている方も多いかもしれません。しかし、いちじくは、とろけるような食感と強い甘みを感じられることが特徴の果物です。また、先ほど紹介したように、酸味や苦みが一切ない果物なので、本来はお子様にも好まれるような味をしています。

さらに、いちじくの特徴としては、他の果物にはないプチプチ食感を楽しむことができる点です。果肉の中に種が含まれていて、噛むと口の中でプチプチと弾ける食感を楽しむことができるのです。

なお、いちじくの糖度は、22度程度の物から高いもので30度を超えるものまであるなど、非常に高い糖度を誇っています。

関連:いちじくに含まれる栄養素とは?古くは「不老長寿の果物」と呼ばれるほど栄養が豊富!

腐ったいちじくの特徴について

完熟したいちじくは、とろけるような食感を楽しむことができるのですが、その柔らかさから「腐っているのではないか?」と不安に感じてしまう人もいるようです。そこでここでは、いちじくが腐った時に生じる特徴や、傷んでいると判断すべき状況について解説します。

腐ったいちじくの特徴について

それではまず、いちじくが腐った時に生じる特徴について解説します。いちじくが腐った時には、以下のような症状が現れます。

  • 果肉がどろどろに溶けて形を維持できなくなる
  • 腐った食品特有の腐敗臭や酸っぱい臭いを感じる
  • 食べた時、果肉が糸を引く
  • 表面にカビが生えている
  • 水分が抜けてしまい、果実がシワシワになっている

いちじくが腐ると、傷んだ食品特有の腐敗臭を放ち始めます。また、表面に白や緑色のカビが繁殖するので、見た目から「食べられない」ということは気付くことができるでしょう。そして、さらに腐敗が進むと、果肉が糸を引いたり、溶けだして形を保てなくなってしまいます。最終的に、水分が抜けてしまい、シワシワになって縮んでしまいます。

いちじくが腐っているかどうかは、見た目やにおいなどから判断することができるので、異変を感じるいちじくは食べない方が良いかもしれません。誤って腐ったいちじくを食べてしまうと、下痢や嘔吐など、食中毒の症状が出る可能性があるので、廃棄しましょう。

傷んでいるけどまだ食べられる状態

いちじくが腐った時には、上記のような特徴が出ます。ただ、どのような食品でも、さっきまで美味しく食べられる状況だったものが、瞬時に腐るなんてことはないのです。いちじくなどの生ものは、徐々に劣化が進んでいき、いずれ食べられなくなるのです。逆に言うと、「傷んでいるけど食べられるいちじく」という状態もあるので、どの程度の状況なら食べても良いのかは知っておくべきでしょう。

ここでは、腐ったいちじくと、傷んでいるけどギリギリ食べられるいちじくの見極め方について紹介するので、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 果肉が噛まなくても良いほど柔らかい
  • 持った時、力をいれなくても変形するほど柔らかい
  • 乾燥して果皮にしわができている

いちじくは、完熟状態に近づくほど果肉が柔らかくなっていきます。最終的には、形を保てないほどドロドロに溶けてしまうのですが、そこに至るまでは徐々に柔らかくなっていくのです。

したがって、食べてみた時、噛まなくて良いほど柔らかいいちじくでも、カビが生えていない、腐敗臭がしないというものであれば、傷んでいるとは言えまだ食べても大丈夫でしょう。時期によっては、果肉が溶けるのではなく、水分が抜けていき、果実が縮んでしまう場合もありますが、多少しわが表れている程度なら、食べられると思います。

なお、いちじくは、収穫後1週間ほどで傷み始めるので、出来るだけ早く食べるのがおすすめです。いちじくは収穫後に追熟することはないので、食べずに置いておく意味がありません。

まとめ

今回は、いちじくが腐った時に生じる特徴について解説しました。どのような果物でも同じですが、長期間食べずに置いておくと、傷んで腐敗が進んでしまいます。

特に、いちじくの旬の時期は、気温がまだ高い時期となるため、高温多湿な状況を要因として、意外に早く傷んでしまうこともあります。したがって、いちじくの美味しさを保ったまま保存するなら、常温ではなく冷蔵や冷凍で保存するようにしましょう。また、いちじくを保存する際には、果実同士がぶつかり合った状態で保存すると、傷むのが早くなるので、その点も注意が必要です。

どちらにせよ、いちじくは追熟する果物ではないので、スーパーなどで購入したら、出来るだけ早く食べきるのがおすすめです。収穫から1週間程度経過すると、傷んでしまう場合が多いです。

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