栗から虫を除去する方法!栗拾いでGETした栗は虫だしが必須

日本の秋の味覚として有名な栗ですが、自分で栗拾いに行って集めた栗は、持ち帰ってから虫を除去しなければならないということに注意してください。スーパーなどで販売されている栗について、あらかじめ虫止め処理が行われているため、購入者が虫を除去する必要はないのですが、栗拾いで集めた栗の場合、そのような処理はなされています。

自然の木になっている栗を手に入れた時には、ほぼ確実に虫がついています。そして、きちんと処理をせずに放置していると、栗の内部で虫が孵り実を食べてしまうといった問題に発展するのです。当然、栗を食べようとしたとき、中から虫が出てくれば食べる気もうせてしまう方がほとんどのはずです。

そこでこの記事では、自分で栗拾いで集めた栗の場合、虫の処理が必要な理由や、どのような方法で虫を処理すれば良いのかについて解説します。

栗につく虫の正体

それではまず、栗の中に潜む虫の正体について解説します。栗の中にいる虫は、基本的にクリジギゾウムシとクリミガと呼ばれる虫です。

クリジギゾウムシは、ゾウムシ類の昆虫で、栗の中にいる虫の約80%はこのクリジギゾウムシだと言われています。クリジギゾウムシの幼虫は、1週間程度で1cmぐらいの成虫になり、栗の実をエサにします。栗拾いで集めた栗について、目を凝らしてよく見てください。表面の皮の部分に小さな黒い斑点が見られる場合、卵が産み付けられた跡です。そして、穴が開いている栗があれば、中で虫が成長して、既に出て行ったあとと言えます。
なお、栗は高確率で卵を産み付けられるとされていて、栗拾いで集めた栗のほとんどは、虫が孵化する可能性があります。ただ、羽化する前に皮を剥いてしまえば、中の栗の実は問題なく食べられます。

ちなみに、スーパーなどで販売されている栗については、「卵などが産み付けられていない物」と考える人もいますが、そうではありません。スーパーで販売されている栗についても、そのほとんどに卵が産み付けられています。ただ、販売する前に卵が孵化しないように処理がなされているのです。

ちなみに、クリミガという虫については、栗一つに対して1個の卵を産み付けるそうです。そして、卵が孵化すると、内部まで侵入して実をエサとして成長します。その後、栗のイガに移動するという特徴があります。

虫食いの栗を見分ける方法

栗は、内部に虫が潜んでいるかどうかを見分けるのはなかなか難しいです。表面に斑点があれば卵が産み付けられていると言われているものの、一般の方がパッと見で気づくことは難しいです。また、栗につく虫は、栗の花に卵を産むという性質があるため、虫の卵を巻き込みながら実が成長することになるのです。

そのため、外見上は何の異常もないのに、内部で虫が成長しているなんて状態になることも珍しくありません。栗に小さな穴が開いている場合、そこから虫が侵入したように思えますが、これが外部からの侵入ではなく、栗の実を食べて成長した虫が出て行ったあとです。つまり、栗の実に穴があるかどうかは関係なく、内部に虫が潜んでいる可能性があるのです。

栗拾いで集めた栗については、「穴が開いていないから虫はいない」と安心する方がいますが、そうではありません。表面上、何も問題が無いように見えても、虫食いの栗の可能性があり、さらに内部に数匹の虫がいるケースもあるのです。

拾ってきた栗が虫食いかどうかを判断する時には、水に浸けてみるという方法が有効です。鍋やボールに水を張り、その中に栗をいれてみましょう。そして、浮いてきた栗は虫悔いの可能性が高いです。これは、実が虫に食べられたことで、内部に空洞ができている、乾燥して軽くなっていることが要因です。虫食いの栗は、取り出しておきましょう。

栗の虫だしの手順

次は、栗拾いで集めた栗について、虫出しをする手順について解説します。特に難しい方法ではないので、スーパーなどで購入したのではなく、自分で拾ってきた栗は、以下の作業を必ず行っておきましょう。

栗の虫だし

それでは、栗の虫だしの手順をご紹介していきます。以下の流れで進めれば、虫を除去することができます。

  • STEP1 栗を洗う
    まずは、栗に付着している泥や汚れを綺麗に洗い流してください、泥などが付着したまま次の工程に進むと、栗が腐る原因となります。
  • STEP2 鍋に、栗が完全につかるくらいの水をいれて栗をつける
    次は、大きな鍋やボールを用意して水を貼ってください。水は、栗が完全に浸かる状態にしなければいけません。大量の栗がある場合は、複数の鍋を用意して、しっかりと栗全体が水に浸かるようにしましょう。なおこの際、水に浮いてくる栗があれば、虫食い状態なので除去しましょう。
  • STEP3 しばらく置いておく
    栗を水に浸けたら、そのままの状態で半日程度放置しましょう。
  • STEP4 半日経過したら栗を取り出す
    半日程度水に浸けたら、栗をざるにあけ、水を切ります。
  • STEP5 乾燥させる
    ザルにあけた栗は、一つ一つ拭いてください。その後、新聞紙の上に並べて乾燥させます。

上記の流れで、栗の虫出しは完了です。水に浸けておくと虫が窒息して死滅します。

強力な栗の虫だし方法

虫嫌いの方の中には、上の方法だけでは少し不安…という方もいるかもしれません。そのような方は、念のため、以下の方法も併せて実行すると良いです。上で紹介した処理を実行した後、以下の作業も行いましょう。

  • STEP1 鍋に栗がつかるくらいの量の水を入れて、80℃までお湯を沸かす
  • STEP2 栗をいれる
  • STEP3 2分待ち火を止める。(温度計がない場合は、沸騰する前に火を止めましょう)
  • STEP4 栗をザルにあげ、冷ます
  • STEP5 新聞紙の上に栗が重ならないよう並べて乾燥させる

熱を使って虫をさらに除去するという方法です。

ちなみに、栗の実についている虫については、食べたとしても健康に害があるわけではありません。それどころか、虫を一緒に食べる方が「栄養価が高い」と考えている国もあると言われています。この辺りは、人それぞれ考え方が異なると思うので、虫が気になるという方は上で紹介した方法で、虫の発生を抑えましょう。

まとめ

今回は、栗につく虫について、どのような虫がついているのか、虫を除去するにはどうすれば良いのかついて解説しました。

記事内でご紹介したように、栗拾いで集めた栗については、そのほとんどに虫の卵が産み付けられているため、何の対処もしなければ、中で孵化して実が食べられてしまう…と言った被害が考えられます。もちろん、栗の中に虫がいて、それを一緒に食べたとしても健康被害はないとされているのですが、食べる際に虫が見えてしまうと食欲が失せてしまう…と感じる方が多いはずです。したがって、持ち帰った時には、すぐに虫出し処理を行っておくのがおすすめです。

ちなみに、スーパーで販売されている栗については、きちんと処理がなされているので安心してください。虫が心配という方は、自分で拾うのではなく。スーパーなどで処理されたものを購入す売るのが良いかもしれませんね。