和梨と洋梨は、両方とも「梨」と呼ばれているため、同じような果物なのだとイメージしている方が多いと思います。しかし、この二つの果物は、食べてみると食感や味などさまざまな違いが存在します。
実際に、日本人にとっては非常になじみ深い和梨をイメージして洋梨を口にすると、全く異なる口当たりになることで違和感を持つ…と言う方も少なくないと言われています。ちなみに、和梨と洋梨は、どちらもバラ科ナシ属に属する植物であり、植物学的には非常に近い近縁種とされています。それなのに、見た目からして大きな違いが存在するのはなぜなのかと疑問に感じる方も多いと思います。
そこでこの記事では、和梨と洋梨の違いについて、さまざまなポイントで比較してみたいと思います。
和梨と洋梨の特徴
冒頭でご紹介した通り、和梨と洋梨は、どちらもバラ科ナシ属に属する植物であり、植物学的に見ると大きな違いなど存在しないはずの果物です。しかし、実際に和梨と洋梨を比較してみると、見た目からして大きな違いが存在するのです。
そこでここでは、和梨と洋梨について、主な違いをいくつかのポイントに分けてご紹介していきます。
見た目が違う
和梨と洋梨の違いで最も分かりやすいポイントとなるのが「見た目」です。和梨と洋梨を並べてみるとすぐにわかるのですが、多くの方はこの二つが植物的に非常に近い果実だとは思わないぐらいの違いがあります。和梨と洋梨について、それぞれの見た目的な特徴は以下の通りです。
- 和梨(日本梨)
和梨は、ソフトボールぐらいの大きさがあり、まさにボールと表現しても良いような丸い球形をしているのが特徴です。色合いについては、品種によって多少の違いがあるのですが、主に赤褐色(赤梨)や黄緑色(青梨)の果実が存在します。そして、和梨特有の特徴として、果皮表面がざらざらしているというポイントもおさえておきましょう。 - 洋梨(西洋梨)
洋梨は、和梨と比較すると、いびつな形状をしていることが特徴です。果実を横から見ると、上部が細くてお尻の方が大きくなるという、ひょうたん(円錐)のような形状をしています。果皮の色合いについては、日本でも有名なラ・フランスと呼ばれる品種は緑色をしています。ただ、追熟が進み完熟に近づくにつれて緑色から黄色や淡いクリーム色に変化する品種もあります。なお、表面は比較的ツルツルしている点も和梨との違いと言えます。
上記の通り、和梨と洋梨は、その形状が大きく異なるという特徴があり、見た目だけで考えると、非常に近い近縁種とは思えない果物です。
食感と味わいに違いがある
和梨と洋梨は、どちらも植物学的には非常に近い存在であり、また「梨」と呼ばれる果物であることから、食感や味については似通っているのではないかと考えている人が多いと思います。しかし、和梨をイメージして洋梨を口にすると、驚くほどの違いがあるので注意しましょう。実は、和梨と洋梨は、口にしたときの食感や味わいが大きく異なります。それぞれの特徴を以下で簡単にご紹介します。
- 和梨(日本梨)
まずは、日本人にとって非常になじみ深い果物である和梨の特徴からです。和梨は、口にしたときシャキシャキ・シャリシャリと言った独特の食感が特徴です。水分が非常に豊富な果物なので、瑞々しく、甘さと適度な酸味が感じられる味わいが特徴です。和梨は、爽やかな甘酸っぱさなど、さっぱりとした味わいが人気の要因なのですが、適度な固さでシャキシャキした独特な食感を楽しめる点も人気の理由です。 - 洋梨(西洋梨)
一方洋梨はと言うと、和梨と比較すると水分がやや少なめです。完熟した洋梨は、シャリシャリとした食感ではなく。ねっとりと滑らかで、とろけるような食感が特徴です。口にしたときには、和梨にはない、芳醇な香りと濃厚な甘みを楽しむことができるので、日本人の中にも「洋梨の方が好みだ」と言う方がいます。
このように、和梨と洋梨は、食べた時の食感や味わいが大きく異なります。植物学的には非常に近い近縁種であるものの、原産地の違いがあるからか、それぞれが独自の進化を遂げています。
食べ頃と熟成の違い
和梨と洋梨は、どちらも夏から秋にかけてが旬の果物です。和梨が7月頃から10月頃まで、洋梨は8月頃から11月頃までと、多少の違いはあるのですが、夏ごろからスーパーなどでも見かけるようになるはずです。
そして、手に入れた梨について、食べごろの見極め方が多少異なるので注意しましょう。和梨と洋梨は、「追熟するかどうか?」の部分に違いが存在していて、これを見落としてしまうと、美味しく食べられなくなります。和梨と洋梨、それぞれの食べごろと熟成方法については以下のような感じになります。
- 和梨(日本梨)
和梨は、「追熟しない」果物です。樹上で完熟する果物なので、最も美味しく食べられるのは、収穫してすぐの新鮮な状態と言えます。新鮮な和梨は、上述したシャキシャキとした独特の食感を楽しむことができます。追熟のためにしばらく置いていても、甘味が増すといったことはなく、傷んでしまうだけなので、できるだけ早く食べましょう。 - 洋梨(西洋梨)
一方、洋梨は「追熟させる必要がある果物」です。収穫したての洋梨は、果実が硬くて甘みも少ないです。そのため、美味しく食べるためには、一定期間室温で置き、果実の熟成を進めなければならないのです。追熟が進んだ洋梨は、果肉が柔らかくなり、濃厚な甘さを楽しむことが可能です。なお、食べごろのサインは、果実から甘い香りが強く出ているかどうかです。完熟した洋梨を常温で保管しておくと、部屋中に梨特有の香りが広がるので分かりやすいと思います。
このように、和梨と洋梨は、「追熟するのか?」と言う部分が異なります。和梨は追熟しない、洋梨は追熟が必要としっかりと覚えておきましょう。間違って覚えてしまうと、どちらも本来の美味しさを楽しめなくなる可能性があります。
その他の違い
和梨と洋梨の違いについては、基本的に上記のようなポイントをおさえておくと良いです。どちらが好みの果物なのかは人それぞれ異なると思うので、一度両方の梨を口にしてみると良いのではないでしょうか?
なお、和梨と洋梨の違いについては、上記以外にも細かな違いが存在するので、以下で簡単にご紹介します。まずは原産地の違いです。先程紹介した通り、和梨と洋梨は、どちらもバラ科ナシ属に属する落葉高木です。しかし、進化の過程が大きく異なることで、現在のような果実の違いがあるのです。
- 和梨(日本梨)
和梨は、東アジア原産のマメナシなどがベースになっているとされます。これが日本で独自に進化し、現在のグループとなっています。 - 洋梨(西洋梨)
洋梨は、東ヨーロッパからトルコ付近が原産のセパレートな野生種がベースです。これがヨーロッパで育成され、現在のグループが出来たそうです。
このように、植物学的には非常に近い近縁種なのですが、原産地や進化の過程が異なるため、現在のような違いが出ているのでしょう。ちなみに、和梨と洋梨を食べることで得られる栄養素については、大きな違いはないとされています。どちらも水分を豊富に含んでいて、カリウムや夏バテ予防に効果のあるアスパラギン酸を多く含んでいるとされます。ただ、食物繊維に関しては、洋梨の方が多く含まれており、なんと和梨の約2倍の食物繊維が摂取できるとされます。糖質についても、若干、洋梨の方が多いとされています。
まとめ
今回は、果物の中でも非常に高い人気を誇る梨について、和梨と洋梨の違いをご紹介してみました。
記事内でご紹介した通り、植物学的に見ると、和梨と洋梨は非常に近い近縁種とされています。ただ、それぞれを比較してみると、形や食べた時の食感、味わいなどに大きな違いが存在するのです。特に注意しておきたいのは、「追熟する果物なのか?」という点で、洋梨を美味しく食べるには一定期間の追熟が必要になるものの、和梨は追熟しないので新鮮なうちに食べなければいけません。
果物は、詳しく見ていくと面白い話が多いので、いろいろと調べてみるのも良いのではないでしょうか。
