今回は、傷んだ果物をそれに気づかずに食べてしまった時の対処法について解説します。特に、「一口食べた後、カビが生えているのに気付いた…」などというケースの対処法を中心にご紹介します。
カビが生えた食品を食べてしまった時には、すぐに体調不良に陥ってしまうのではないか…と不安になってしまうと思います。特に、水分量の多い果物などに関しては、カビ菌が見えない場所にまで広がっている可能性があるため、見た目的に傷んでいる部分を切り取って食べたとしても、後からカビによる悪影響が生じてしまう可能性があります。ただ、カビが生えた食べ物を口にした場合でも、必ず体調不良を起こすというわけではないのでその点は安心してください。
万一、食品を口にした後にカビが生えているということに気付いたときには、まずは以下のような感じで経過観察をしてみてください。
- 特に症状がない、または軽い違和感がある:口をよくすすぎ、水分をとって安静にして、経過観察をしましょう。
- 腹痛・下痢・吐き気・発熱などの症状が出ている:無理に我慢せず、医療機関への相談を検討してください。
- 症状が息苦しさ、強い腹痛、繰り返す嘔吐、じんましんなど、ひどい場合:様子見せず、早めに医療機関に足を運び、受診するのが望ましいです。
上記のように、カビが生えた食品を口にしてしまった時の対処法は、上記のように区分すると良いです。心配であれば、腹痛の症状が出た際、早めに医療機関に相談することを推奨します。なお、高齢者や小さなお子様、妊娠中の方や持病のある方の場合は、軽い症状でも念のため医療機関で受診するのが望ましいです。
カビを食べてしまった時の対処法について
それでは、誤ってカビを口にしてしまった時の具体的な対処法について解説していきます。カビを食べてしまった時には、「すぐになんらかの対処をしないと危ないのではないか?」と不安になってしまう人が多いと思います。
ただ、結論から言ってしまうと、カビを食べたからと言って、必ず体調不良になるというわけではなく、特に大きな問題は出なかったというケースも少なくありません。とはいえ、カビの種類や量、また食品の状態や食べた人の体質などによっては、何らかの症状が出てしまうことも普通にあり得るため、「カビは食べても大丈夫!」とは考えないでください。
普段、何を食べても腹痛などにならないという方でも、何もしなくても大丈夫というわけではありませんし、その逆に極端な対処をしなければならないというほど切迫もしていないといった感じです。したがって、誤ってカビを口にしたときには、下で紹介する対処法を参考に、落ち着いて自分の体に異変が出ないかを確認してください。
①口に残っているなら吐き出して、口の中をすすぐ
誤ってカビを口にしてしまった時、まず最初に行わなければならないのは、口の中に残っているカビを取り除くということです。なお、まだ飲み込んでいないものが口にある状態でカビに気付いたときには、マナーなどは無視して吐き出しましょう。
その後、口の中を水で軽くすすぎ、口腔内に残ったカビや不快感を減らすと良いです。なお、口をすすぐ時には、「軽く」で良いです。何度も強くうがいをしたり、刺激の強い洗口剤などを使う必要はありません。これは、強いうがいや、刺激のある成分が含まれた洗口剤を使うと、口腔内の粘膜を刺激して、かえって吐き気などを誘発する可能性があるからです。カビを食べた後、口の中を洗浄するのは、口腔内に残ったカビを出すためで、体内に入ったものを取り除くことはできないです。そのため、それ以上の負担を加えないためにも、口の中を整える程度の軽いうがいにとどめてください。
②無理に吐かない
カビを食べてしまった時には、「吐き出さないと危険なのでは?」と考える人が多いと思います。しかし、カビを体内から出したいとは言え、自分の意思で無理矢理「嘔吐する」という行為は推奨されません。
無理に吐こうとする行為は、のどや食道を傷つけたり、気道に吐いた内容物が入り込んでしまう「誤嚥(ごえん)」を引き起こすリスクがあります。したがって、食べてしまったものは仕方ないので、ひとまず様子見をして、必要であれば医療機関に足を運ぶようにしましょう。
特に、小さなお子様や高齢者の方がカビを食べた際、口の中に指を入れて吐かせる、大量に水分を飲ませることで吐かせるといった行為は絶対にやめてください。
③軽く水分をとって様子を見る
誤ってカビを食べてしまった時には、少量の水分を摂りながら体調に異変が出ないかを確認するということが大切です。
なお、飲み物に関しては、水やお茶など、刺激が少ないものにしましょう。炭酸飲料やアルコール、非常に熱い飲み物は、胃腸に刺激を与える結果になるため、避けた方が良いとされています。また、一度に大量の水分をとるのではなく、少量ずつ飲んでいきましょう。
水分をとる際、吐き気、喉や腹部に違和感を感じないか、慎重に確認することも大切です。
④安静にして、体調に変化が出ないか確認する
①~③までの初動対応を終えた後は、しばらく安静にして、体調に変化が出ないか観察することが大切です。カビを食べてしまった時には、実際の影響ではなく、不安や緊張が原因で気分が悪くなることがあるとされています。
したがって、体調変化を判断するためのポイントとしては、「単に気分が悪い」という点で判断するのではなく、腹痛や下痢、吐き気などの消化器症状などが出るかどうかで判断すると良いです。また、カビを食べてしまった時には、皮膚のかゆみや発疹、のどの違和感など、アレルギーのような症状が出る場合もあるので、こういった体調変化が出ないかしばらく様子を見ていきましょう。
時間が経過しても、特に体調の変化は出てこないという場合は、問題ないはずです。ただ、しばらく時間が経過すると、最初はなかった体調の異変が生じてきたという場合は、医療機関を受診すべきでしょう。
医療機関を受診すべきケースとは?
ここまでは、誤ってカビを口にしてしまった時の対処法をご紹介してきました。冒頭でもご紹介した通り、傷んだ食品を少量食べただけというケースは、特に体調の変化などは現れないというケースも多いのです。したがって、まずは落ち着いて自分の体調に変化が生じないかを観察することが大切なのです。
それでは、どういった症状が出た時には、医療機関を受診すべきなのでしょうか?ここでは、カビを食べた際、早めに医療機関を受診すべきと考えられる症状についてもご紹介します。
医療機関を受診すべき症状
カビを食べた後、体調の変化を観察していると、以下のような症状が現れた際には、早めに医療機関に行くべきです。
- 息苦しさや呼吸のしづらさなど、呼吸器関連の異常がみられる場合
- 唇・舌・まぶた・顔などの腫れ、口腔内の異常など、アレルギーのような症状がある場合
- 強いかゆみを感じる、全身にじんましんが出ている場合
- 嘔吐を繰り返し、水分なども摂れなくなっている場合
- 強い腹痛を感じ、さらに時間経過とともに悪化している場合
- 便や吐いたものに血が混ざっている場合
- 高熱が出て意識がぼんやりする場合
- 高齢者や小さなお子様、妊娠中、持病がある方などで、いつもと違う不調が出ている場合
上記のような症状が出ている場合は、早めに病院に行きましょう。これらの症状は、強いアレルギー反応など、緊急性の高い反応と言えるからです。呼吸関連の異常や急激に広がるじんましんなどは、体が強く反応しているサインであるため、経過観察をしているうちに、どんどん症状が悪化する恐れがあります。また、激しい下痢や嘔吐は、脱水や体力の低下などが短時間に進み、別の問題に発展する恐れもあります。
したがって、上記のような異変を感じた際には、近くの病院に急いでいきましょう。なお、急激な症状悪化を感じる場合は、迷わず救急要請を検討しましょう。
まとめ
今回は、食品の劣化に気付かず食べてしまうなど、誤ってカビを口にしてしまった時の対処法について解説しました。
カビを食べてしまった時には、必ず体調不良になると考えられがちですが、少量を口にしただけの場合、何の体調変化も出ないというケースも珍しくありません。しかし、場合によっては、腹痛や嘔吐、呼吸器関連の問題やじんましんなど、深刻な事態に発展する可能性もあるので注意しなければいけません。
特に、果物については「カビがついている部分を切り取れば大丈夫」と考え、傷んでいなさそうに見える部分だけを食べてしまう人が多いと思います。しかし、水分量が多い果物は、カビが生えていない部分にまでカビの影響が広がっていて、見える部分を取っても安全とは言い切れないので注意が必要です。基本的には、カビなどが繁殖する前に食べきるようにして、目に見える部分にカビが生えているというものは、廃棄するようにした方が良いでしょう。
