果物の中でも特に高い人気を誇っているのがいちごです。いちごは、そのまま食べても美味しいですが、ケーキなどのスイーツにも使われているなど、日本人にとっては非常に馴染みぶかい果物の一つと言えます。
それでは、「皆さんはいちごの旬の時期は?」と聞かれるといつを思い浮かべるでしょうか?一般的には、冬から春にかけて収穫できる果物というイメージがあり、比較的寒い時期に食べらているという実感を持っている方が多いのではないでしょうか?しかし、昨今では、果物の栽培技術が飛躍的に進化していることもあり、いちごは気温が上昇する4月や5月頃になっても食べることができるという印象があるかもしれませんね。特に最近では、春のアウトドアイベントとしていちご狩りが人気になっていることもあり、どちらかというと「春の果物」というイメージが強くなっています。
そこでこの記事では、いちご好きの方に向け、一年の中で最も甘いいちごを楽しめる時期がいつなのかについて解説したいと思います。
いちごの流通時期について
いちごは、収穫後に追熟する果物ではなく、一番美味しい状態にまで熟してから収穫され、店頭などで販売される形となります。つまり、収穫時期と出荷時期が同じ果物であるので、旬の時期に関しては収穫時期のことと考えても構いません。
それでは、日本国内で栽培されたいちごについて、旬の時期や店頭に出回る時期はいつ頃をイメージすいれば良いのでしょうか?
いちご本来の旬の時期について
まずは、いちごの旬の時期について解説します。冒頭でご紹介したように、いちごは冬から春にかけてが旬の果物として知られています。具体的には、12月頃から翌2月頃に出回る果物で、日本ではクリスマスケーキに利用される果物として有名ですね。
しかし実は、本来のいちごの旬は、「春から初夏にかけて」と言われていたのはご存知でしょうか?いちごは、気温が低い冬の時期は眠っていて、気温の上昇とともに目覚めたいちごが、春に花を咲かせ、夏ごろに実をつけると言われていた果物なのです。こう聞くと、現在のいちごの旬のイメージとは大きく異なりますよね。
現在では、クリスマスケーキの時期になると、スーパーなどの店頭でもいちごがたくさん並ぶようになるというイメージがある通り、12月の後半になると市場に流通するというイメージが強いはずです。しかし、このイチゴの旬の時期については、品種改良やハウス栽培技術の向上により実現しているもので、本来は3月から4月後半と、それなりに気温が高くなる時期に楽しめるという果物なのです。
12月にいちごが収穫できるようにしているのは、クリスマスシーズンに合わせて、品質の高いいちごを流通させることが目的とされています。そして、その習慣が長年続いたこともあり、現在では「冬から春が旬の果物」というイメージが定着したのだそうです。
いちごが店頭に並ぶ時期について
先程紹介したように、いちごは収穫後に追熟する果物ではないため、店頭に並ぶ時期については収穫時期と同じです。そのため、国産のいちごがスーパーなどで手に入るようになるのは、基本的に、12月から4月頃までと考えておけば良いでしょう。
ただ、昨今ではハウス栽培の技術がかなり進化していることもあり、もう少し長い期間見かけることができるようになっています。スーパーなどでも、早ければ11月中旬ごろにいちごが並び始め、翌5月頃までは店頭で購入することができるようになっています。国産いちごに関しては、6~10月頃まではお休みになり、この時期に店頭で見かけるモノは輸入品となります。
いちごが最も甘い時期
上述の通り、いちごが流通する時期は12月から4月頃までと、かなり長く楽しめるようになっています。ちなみに、いちごの流通量が最も多くなるのは2~4月頃と言われています。
それでは、甘いいちごを楽しみたいと考えた時には、どの時期のいちごを選べば良いと思いますか?普通に考えると、最も流通量が多い時期が「最も美味しい時期」と考えられますし、2~4月頃のいちごが良いのではないかと思うかもしれません。
しかし、いちごが最も甘く美味しい時期は、12月~1月頃と言われています。実は、いちごは時期によって粒のサイズや味が異なるとされているのですが、甘さについては寒い時期ほど強く感じられるとされています。これは、冬の時期に成長するいちごは、ゆっくりじっくりと大きくなっていくため、その成長過程で糖分を貯め込みやすいからだそうです。したがって、12月~1月など、寒い時期に収穫されるいちごほど、甘くて濃厚な味になりやすいとされています。
その反対に、気温が高くなり、暖かくなってくると、いちごの成長スピードが速くなるため、酸味が強くなるとされています。
美味しいいちごを見分けるポイント
それでは、スーパーなどでいちごを購入する際、できるだけ美味しいいちごを選ぶためにも、おさえておきたいポイントについていくつかご紹介します。いちごを選ぶときには、以下のような点に注意して選びましょう。
ポイント1 ヘタが大きくて緑色の物
美味しいいちごを選びたい時には、まずヘタの部分に注目しましょう。ヘタの部分が枯れていたり、しんなりと元気がないものは、収穫から時間が経過しているので、選ばないようにしましょう。新鮮で美味しいいちごは、ヘタの部分がしっかりと緑色に色づいていて、反るほどピンとしています。また、ヘタの部分に関しても、大きい物ほど栄養がしっかりと行き渡っていると考えられるので、大きさにも注目すると良いです。
なお、いちごの一般的な収穫時期を過ぎた3月頃からは、果実自体が小粒になってきます。そのため、この時期のいちごについては、ヘタも小さくなるので、しっかりと色づいているか、小ぶりでもピンと反っているのかという点を確認すると良いです。
ポイント2 形がきれいでツヤがあるものを選ぶ
いちごは、糖度が高いものほど粒が大きくなると言われています。したがって、甘くて美味しいいちごを選びたいと思った時には、大きくて形が整っている物を選ぶと良いです。
いびつな形をしている物は、受粉が上手くいかず、糖分が行き届いていない可能性があるため、大きくても甘さが感じられない部分があるかもしれません。なお、いちごの外観について、ピカピカとした光沢がある果実ほど品質が良いので、表面も注意深く確認しながら選ぶと良いでしょう。
ポイント3 粒々が埋もれている
いちごの表面には粒々がたくさんありますよね。実は、この粒々を確認することで、美味しいいちごを選ぶことができるのです。
いちごの表面を確認し、表面の粒々が飛び出して見えるモノよりも、果肉に埋もれて見えるモノの方が、甘くて美味しいいちごと考えられます。これは、粒々が埋もれているということは、それだけ果肉が大きく育っているということを意味するため、果実全体に水分と養分が行き渡っていて、糖度が高いと考えられるためです。
ポイント4 ヘタの周りの色を確認する
いちごは、色が濃いものほど美味しいというイメージを持っている方も多いのですが、全体的な色の濃さは美味しさに比例するわけではありません。
しかし、ヘタの周りの色に関しては、美味しいいちごかどうかを判断するための重要なポイントになるのです。いちごのヘタの周りは、白色をしているというイメージが強いのですが、この部分について、根元から赤色に色づいている物ほど美味しいと判断できます。これは、根本まで赤色=しっかりと熟しているとみなせるためで、甘さをため込んでいると考えられるからです。
まとめ
今回は、果物の中でも特に高い人気を誇っているいちごについて、最も美味しく食べられる時期やスーパーなどで美味しいいちごを選ぶためのポイントについて解説しました。
記事内でご紹介したように、いちごは、寒い時期はゆっくりと成長していくということから、糖分を豊富にため込むことができ、より甘くなると言われています。そのため、12月や1月頃に収穫できるいちごの方が、より甘さが強く美味しいとされているのです。暖かい時期に成長するいちごは、大きく育ったとしても酸味が比較的強くなると言われているので、ぜひ覚えておきましょう。
ちなみに、いちごを手に入れて保管方法に迷った時は、以下を参考に適切な保管方法を選ぶと良いです。
- いちご狩りで自分で収穫したなど、収穫したての新鮮ないちごは常温保存がおすすめです。なお、いちごは水気がついていると傷みやすくなるので、洗うのは食べる直前にしましょう。
- スーパーなどで購入したいちごは、既に収穫から数日が経過している可能性が高いので、冷蔵保存がおすすめです。野菜室があれば、野菜室で保存するようにしましょう。なお、冷蔵庫に入れる際は、傷んでいる物をあらかじめ取り除いておきましょう。また、ヘタの部分を下にするように並べ替え、その上にキッチンペーパーを被せて冷蔵庫の中に入れると良いです。
- いちごは、特別な理由がない限り、冷凍保存はおすすめできません。冷凍庫で保存すると甘味が落ちてしまいますし、解凍後は水分でベチャッとしてしまい、食感が悪くなります。そのため、スムージー用に保存するなど、冷凍が望ましいと考えられる場合以外は、常温もしくは冷蔵で保存しましょう。
